新型コロナ禍、昨春店頭からマスクは消えた。人々は、家族による端切れの手縫いで賄い、色柄は多彩で、前期のオンライン授業のプロフィールでもその家族愛が窺われた。6月に入ると国から一人白2枚が配られた。健康栄養学科では多くの実験や実習があり、身支度をして白いマスクを着けることも多い。後期に入ると、対面授業が始まった。個々人には健康管理マニュアルが徹底され、校内の要所には体温測定カメラや消毒液が設置された。その頃になると、市井のマスクも手に入りやすくなり、機能性やデザインも話題になりだした。いま現在も、相変わらず白にこだわっている人は多い。白のイメージは、清潔感・衛生的に尽きると思う。昨冬まではエチケットとしても廉価で無難だった。だがここにきて、機能性や耐久性も多様化充実してきて、使い勝手も追及されているようだ。さらに、デザインや色彩にも及び、ブラック、グレイ、モスグリーンは当たり前で、ブルーやピンク、花柄、キャラクターのプリントや刺繍も見かけるようになってきた。学生のひとりは「服装と合わせるのが一苦労です」と明るく教えてくれた。「トップランナーは先生方!」とも。新しい生活スタイルへの転換が叫ばれている。マスクの進化は何処へ向かっているのか。
記事:谷津壽郎
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